茶色の革装の厚い日記には率直な意見と図があふれている。
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3月4日の記載はないが… 3月5日にはこう書かれている“まったく、あれはめぐりめぐってわたしを滅ぼすだろう。わたしはこの手のことが苦手で… へまばかりしている。そうでなかったことといえば… いや、これはまったく別の話か”
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最初の日記は昨年の8月2日のものだ。“危険な状況に置かれているのはわかっている。わたしにできるのは打開策を探しながら、才覚を最大限に活かすことだけ(替えのきかない人間はいないと心しなければ)”と書かれている。
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人や場所についての屈折した観察が書いてある… おそらくは路上の時間をそうやって過ごしていたのだろう。それに、難しい判断をくだすために思考の整理を試みたと思われる箇所もある。多くの疑問が書き込まれたくだりがいくつかある。
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最も新しい日記には何が書いてある?
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“ここを出られたとしても(生きて出られればの話だけれど)… その後はどうすればいい…? 殺人罪に問われなかったとしても、リンチを主導するのは犯罪だ。永遠に逃げつづける? それでは、見晴らしのいい道を走ることにはならない。 ああ、なんとかうまくいってほしかった”
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「ルビーが傭兵を殺したとは思わない」キムがとんとんとページをたたく。「彼女はもしかしたら… はめらたんじゃないか? 彼女から事情をしっかりと聴取できなかったのが残念だ」
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「それじゃあ傭兵殺しの真犯人は誰なんだ?」(結論へ)
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「いずれにしても、〈ワーリング〉に戻って、クラーシェの当時の動向にもう少し探りを入れてみよう」
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「ひとつ確かなのは、〈ワーリング・イン・ラグズ〉にまた用ができたということだ。訊くべきことは多い。ただし、用心はしておこう… 報復について彼女が言っていた情報には… 不穏なところがある」
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「彼女には共犯者がいたのかもしれない。いずれにしても、〈ワーリング〉に戻って、クラーシェの当時の動向にもう少し探りを入れてみよう」
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「それに、逃亡者としての暮らしが獄中にいるよりもどれだけましなのかはわからない。マードレとのあいだにトラブルがあるなら、なおさらだ」
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「ルビーが傭兵を殺したとは思わない。ほとんど直感のようなものだがな。僕たちは本人から事情を聞くことなく、彼女を行かせてしまった」