防水布でできた外套が、しばらくのあいだ、寂しく風にはためいている。もはや誰も迎えに来てはくれないのだろう。
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「キマった!」キムが大声をあげる。「僕の壁伝いは君のジャンプほどディスコなものじゃなかったが、それでも“エース・ハイ”を交わしてもらえるか?」(訳注:“エース・ハイ”とはこの世界における“ハイタッチ”のこと)
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「人々のために!!!」
「レヴァショール!!!」
「トルク!!!」
「空き容器!!!」
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駄目だ! よせ! これでもまだ高すぎる。いったい何を考えていた? おまえは体操選手ではなく、ボクサーなんだぞ… いくらなんでも、これじゃあ高く登りすぎだ…
参ったな、これは高いぞ! キツラギ警部補のやつ、正気か… “そこまでの危険はない”などと、よく言えたものだ! これは確実な死が待っているぞ(おまえはめまいで端から落ちそうになる)。
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ネクタイがおまえを導いてやる。これこそがおまえの“スピリット・アニマル”さ。宿敵であり、同時に友と呼べる存在だ。そうして突然、おまえの中を安堵感が駆けめぐり… おまえは見事に復活する。
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実物を目の当たりにしているからというより、もはや本能で確信しているからとしかいえないが、あの外套にはきっとRCMの象徴である長方形が描かれている。それがおまえには“わかる”。あれは警察官の外套だ。
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「ああ、おそらく君のものだろう。RCMの記章が入っているし、君は装備品をぞんざいに扱う癖があるようだからね…」キムが落下距離を測る。