会話 · お気楽なレオ
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「いえ… それはさすがに… 話してもいいんですが、イヴラートさんがあまりいい顔をされないと思うので。ご自分で訊いたほうがいいと思いますよ」ずっと顔に浮かべられたままだったレオの笑顔が、さらに温かみを増している。
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「エドガーさんはイヴラートさんの兄弟でさあ。エドガーさんのほうが少し若く見えるんですよ、ええ。でもすごく頭の切れる人です。ほんとうにすごいんですよ。組合の用事でちょっとお留守にしてましてね… 聞いた話だと、今はレヴァショールにはいらっしゃらないんだとか…」
「いろいろな場所に行かれるんですよ。あの人もお兄さまも、休暇中はさまざまな場所を訪れます。今はイヴラートさんが組合の仕事を担当する番なんですが、去年なんか、イヴラートさんは冬のあいだずっと南サフリに行ってらしたんです」男がくすくすと笑う。
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「ああ。そうです、そうです」男が興奮気味に答える。「いろいろ自分用のメモを残してるんでさ。この老いぼれの頭じゃ、もうろくにものを覚えておくこともできませんで。ボルシチのことを忘れちまうとこでした」
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「これがまたほんとうにうまいんです。あれを食べると、温かくて幸せな気分になるんですよ」男は満面の笑みを浮かべ、かぶりを振る。「昼飯が終わるたびに、ルノーダンさんとこの猟犬が相手でも勝てそうな気分になりまさあ」
「そうです、そうです。そいつをあっしがみんなに届けてるんですよ。あのボルシチを食べると、みんな幸せな気分になって戦う力が出ますから。体の中がずっとぽかぽかなんですわ。〈ワーリング・イン・ラグズ〉でつくってるものなんです」
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「ああ、〈ワーリング・イン・ラグズ〉のコックですよ。あの人がつくってます。よくマニャーナさんと変てこな言葉でおしゃべりしちゃ、一緒に笑ってまさあ。あの人はあっしらの言葉がしゃべれないんです。グラードからきたとかで」
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「盛りあがっているところに水を差すようで申し訳ないが、コンテナを赤くするということはつまり、元の会社の色を組合の色で上塗りしているということだ。つまり、このストライキがそう簡単には収束しないことを意味する」
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「ええ、ええ。誰にだって仕事は必要ですから。これがあっしの仕事でさ。ちなみにあっしはレオナールって言います。レオナール・べレック。みんな“レオ”って呼びまさあ」小柄な男は歓迎の意を込め、顔の横に手をあげる。