会話 · イヴラート・クレア
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「なに、君のことならなんでも知っているとも。ハリー」男は眼のまえのフォルダーを指で軽く叩く。「君に関する情報がぎっしり詰まったフォルダーだ。こいつにはおいしい情報がたっぷり載っている」
「巷の噂によると、今、君の記憶は少々… 曖昧な状態にあるそうだな」男が問いかけるようにあなたを見つめる。「それが事実なら、私が力になれるかもしれない。君のためにひと肌脱ごうじゃないか」
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「この情報の詰まったフォルダーがいつでも力になるぞ。君にはきっと、訊きたいことが山ほどあるはず… ひょっとしたら、このフォルダーと私が答えを持っているかもしれない。少しばかり君の役に立てるかもしれないぞ」
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「どれどれ…」男がフォルダーの中を見る。「なるほど… 興味深い。これによると君は警察官というより、“頭のイカれた予言者”らしい。つねに世界の終わりについて語っている、か… 当然、事実を誇張して書いたものだと思うが」
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- 「そのとおりだ、ハリー」男が同意してうなずく。「罪、流血、死、あらゆる生命への壊滅的被害… すべては現実となる。だからこそ、君と私はそれに備えなければならない。互いに助け合える方法について、話し合おうじゃないか」
- 「わかっているとも、ハリー」男が満面の笑みを浮かべる。「私は君がどういう人間か知っている。君の秘密は私が守る」
- 続ける
- 「ハリー、おかしなことを」男がかぶりを振る。「君はここに足を踏み入れたとき、このコンテナを明るく灯した。君は私の一番のお気に入りだ」
- 「ハリー。私たちの共通点の多さには、ときどき恐ろしさすら感じる!」男は両手で自分の巨大な頭を抱える。「私もだ… ごくふつうの正常な音楽を愛しているよ!」
- この男に気に入ってもらえたみたいじゃねえか、ブラタン(兄弟)! よくやったぞ!
- 「ふむ。確かにこうして会話していて、とても自信に満ちた人物という印象しかない」男がくっくと笑う。「君は男の中の男だ」
- 「ああ」男は眼鏡の縁越しに、巨大な昆虫のような眼であなたを観察している。「たいていの場合、そういう印象を持たれているようだ。だが、ここではそんなふうに萎縮する必要はない。羽を伸ばして、自分らしくふるまえばいい」
- 「誰だって君と同じ気持ちだ」うなずいた男の眼には、共感が見て取れる。「みんな自分にできる最善を尽くそうとがんばっている、そうだろう? 私が君に力を貸そう」
- 「もちろんだとも、ハリー」男が大きな声で語る。「君は私にとって特別な存在だ! この組合の大切な友人なんだ。そんな男が“平凡”であるわけがない」
- 「君が変化していくあいだずっと、100パーセント全力で応援させてもらうよ。ハリー」男が両腕を広げる。「私が君を助けたいだけだということを、どうか理解してほしい」
- 続ける
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「そのとおりだ、ハリー」男が同意してうなずく。「罪、流血、死、あらゆる生命への壊滅的被害… すべては現実となる。だからこそ、君と私はそれに備えなければならない。互いに助け合える方法について、話し合おうじゃないか」
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「ああ」男は眼鏡の縁越しに、巨大な昆虫のような眼であなたを観察している。「たいていの場合、そういう印象を持たれているようだ。だが、ここではそんなふうに萎縮する必要はない。羽を伸ばして、自分らしくふるまえばいい」
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「当然だよ、ハリー」男が狡猾な笑みを見せる。「君が輝きつづけるために、私の力を貸してやろうじゃないか。“大きな舞台”にはすべて立たせてやる。“ハリー・デュボア”という巨大なネオン文字を飾ろう」
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「そうだなあ、ハリー…」男はフォルダーをひらき、中身にざっと眼を通す。「君はパーティ好きらしい… それも“大”の。それとディスコミュージックを好むのか。じゃあ、“ディスコ刑事”というところかな」
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「家族? ハリー、君には家庭なんかありはしない。そんなものが入り込む隙はこれっぽっちもない。それとも君は、自分が家庭向きの男だとでも思ってるのか? ほんとうに自分がそんな人間だと思うか、ハリー?」
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あなたさまがフォルダーを見ると、イヴラートはそれを手で隠し、撫ではじめる。あれが本物のRCMのフォルダーではないことを、あなたさまに悟られまいとしているのです。あれはきっと例のファイルキャビネットにあった、茶色いフォルダーのひとつですぞ。
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「いいだろう、ハリー。私の負けだ」男はそう言って、歯をむき出しにして笑う。「これはRCMではなく、国勢調査局のものだよ。あそこの職員は腐りきっている。なんとかしたほうがいいと思うぞ」
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「ああ。そうだよ、ミスター・キツラギ。だから国勢調査局から情報をもらった、そう言っただろう」男は苛立っている。「さあ、私は多忙な身なんだ。ほかにも力になれることはあるかね、ハリー?」