“破滅”がこの場所を襲った。崩壊したアーチには、この建物がかつて誇った壮大な歴史の面影が残っている。きっとここから港全体が見渡せたことだろう。“あの日”が来るまでは。
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カモメからすれば、“茶色い髪の毛でできた巣”だろうな。ただし、やつらに15メートルの急降下をさせるほどの魅力は、そこにない。波止場をゆく歩行者からは、死との距離がわずか30センチのところで、無骨な男が海を眺めているように見えるだろう。〈ワーリング・イン・ラグズ〉のバルコニーに出ている宿泊客からは、嫌でも眼に入る遠方の人影といったところかな。
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水底に広がる砂や泥の深いところには、鉄製のヘルメットがいくつも埋もれている。その昔、兵士たちが身に着けていたものだ。そこには彼らの指の骨、鎖骨なども埋もれていることだろう。海底にはそうしたさまざまな“残骸”が散らばっている…
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彼らはさらに、レヴァショール湾に飛行船団まで組織した。その砲撃の威力があまりにもすさまじかったため、各戦艦はジャイロによる安定化が必須だったばかりか、海底に碇をおろして艦体をその場に固定しておく必要があった。
そのときの飛行船団の大半は、今日もなおこの場に留まっている。眼を凝らせば、はるか北東の方角の水面に、うっすらと影が映り込んでいるのが見えるはずだ。レヴァショールを“鎮める”ための砲弾の準備はいつでもできているというわけだ。