別のセリフ · 1
「マイクロ回路のヴィアホールみたいなもんか?」
「マイクロ回路のヴィアホールみたいなもんか?」
「彼らが誇る長い顧客リストには、錚々たる会社が名を連ねている。〈サン=バティスト〉、〈ウェルチマン・ローレンツ〉、〈エーンドラクト〉などなど… ただし、一点注意すべきことがある。それは彼らの活動がすべて第三世界、あるいは第四世界の国々での実績だということ。内容としては、施設の警備や護衛任務などね」
「ええ。スプラマンディ、イースット、セメナイン諸島など、おもな“戦地への通り道”にあって、彼らが足を踏み入れていない地はない。いずれもいい噂は聞かないところばかりで、その土地でなんらかの残虐な軍事行動が確認されている」
「なるほどな。やつらについて、ほかにどんなことを知っている?」
「すでに連絡ずみよ。要求は叶えてもらえるはず。ただ、戦場で別行動をしている部隊を探して指令を伝達するようなものだから、彼らのもとに指示が届くまで時間がかかる。それまでは… わたしたちが力を尽くすしかない」
「あの協定はすでに失効しているということ…? ごめんなさい、わたしが下手に詮索するようなことではないわね。でも、例の協定がまだ有効なら、活用しない手はないと思う。あくまで提案にすぎないけれど」
ICP(International Collaboration Police)とは、“国際協同警察”の略で、複数の国家にまたがる複雑な捜査において、各警察組織の調整役を一手に引き受けている機関だ。彼らの世界唯一にして最大規模のデータベースは、まさに情報の宝庫といえる。
「彼らは、いわゆる“雲隠れ状態”よ。こちらから捜し出すことはお勧めしない」女はバランスを取ろうと、ガードケーブルに足をかける。「理由としては、第一に… 彼らが完全武装していると考えられるから。これはほぼ確実と見ていいでしょう」
「彼らは、いわゆる“雲隠れ状態”よ。こちらから捜し出すことはお勧めしない」女が注意を促すように人差し指を立てる。「理由としては、第一に… 彼らが完全武装している可能性が挙げられる」
「また彼らはわたしとはちがい、〈レヴァショール市民軍〉に対する敬意を持ち合わせていない。率直に言うと、あなたがたのことをたんなる自警団、あるいは“ゲットーの野蛮人”程度にしか思っていない。会ったところで、有意義な会話は難しいと思う」
「そうか。では、今のところは下手に接触しないようにしよう」