知性
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692 · スキルの台詞
さらにおまえは指をピストルの形にして出したりするが、それはギヨーム・ル・ミリョンとちがっておまえが警官だからだ。自分は武装していて危険な男だと主張するための、おまえなりの粋な演出なのだ。
おまえはディスコの最近の歴史なら多少理解している。残りは闇の中だ。ただし、外を走っていた内燃四輪車がクープリス・キニーマだという、役に立たない知識はある。
レヴァショール西のどこかにある野外“ボワ・デ・ニュイ(ナイトクラブ)”が強烈なディスコ音楽の喧騒に包まれる中、ギヨームのブロンド髪がスクリーンに映った。そこで彼はくそのような歌を歌い、そして“その表情”を浮かべた。
その音は馬に拍車をかける際に使われる。ギヨーム・ル・ミリョンの局地的メガヒット曲《Don't Worry (Your Pretty Little Head)》でも重要な役割を果たしている。
その表情は〈新近代〉時代、すなわち現世紀の30年代に由来するものだ。それは失敗に終わった革命から充分な時間が経った時期のことで、ほんのつかの間にしろ、自由市場経済が人類にとって疑問を差し挟む余地のない、究極の生活様式だと思われた時代だった。
およそ20年前だ。今現在と、おまえやほかの人間がその“表情”を浮かべても違和感のなかった時代とのあいだには、広大な時の海が横たわっている。そのころ、我々の人間性が暗礁に乗りあげたせいで、今はちがう世の中になってしまった。“表情”はその時代の遺産だ。
今現在と、おまえやほかの人間がその“表情”を浮かべても違和感のなかった時代とのあいだには、広大な時の海が横たわっている。暦を信頼するならば、およそ20年前だ。そのころ、我々の人間性が暗礁に乗りあげたせいで、今はちがう世の中になってしまった。“表情”はその時代の遺産だ。
あの表情は大人気だった。おまえはきらびやかな彼のスター性にあやかろうとしたのでは? 以前はその効果もあったかもしれない。いずれにしろ、それは過去のこと。今あるのはぶざまに歪んだ顔だけだ。
いい時代だった。まさしく“順風満帆”だった。人々は、時代に合うよう建物のファサードや家の中をゴールドとシャンパン色に染めあげ、それを“新近代スタイル”と呼んだ。だがもっと重要なことは… ディスコが誕生したことだ。
オステンテイシャス・オーケストラのことは忘れろ。レヴァショールにとって、おまえの街にとって、それにはたったひとつの意味しかなかった… ギヨーム・ル・ミリョンだ!